#9:これからは仕事のマイクロ化も進む
林:今本の話が出たが、マイクロ化はコスト的な部分にも関わってくる。マイクロ化していけばフリーも仕方がないかとなってくる。流れとしてフリー化。それは避けられない。その勢いと合わせてみても、マイクロ化は自然の力学がたぶん働いている。
–それに対しては、特定の企業や政府の思惑を超えている。人の意識がそう流れている。
–過渡期では、その時点での収益モデルは考えないと。
林:今の経済システムを無視して考えれば、マイクロ化されて、常に軌道修正しながら、全員が同じベクトルに向いていったほうが、より大きいうねりを作れそうな気がする。最終的ち利益を得る場所から、うねりを作っている人たちにうまい具合に配分できるシステムがあれば、そんなに問題にならない仕組みは作れる気はする。
–そのため、いろいろと、ベーシックインカムだったり。
林:もうちょっとしっかり、引用元、この人がどのくらいの影響力で伝達したかも計測できた方が良いのかもしれないし、あるいはそうするとぎすぎすしてしまうのかもしれないし。社会主義ではないけど、もっと緩くやった方が良いのかもしれない。その辺は、何十年だけでなく、何百年単位で発見されていくのかもしれない。
–貨幣経済も、そうやって生じたわけですし。
–金がなくても、生活。例えば、ベーシックインカムがあって、最低限の衣食住が賄えたとして、ネットかなんかで、自分が人気者であっても良い。
毎晩、パーティにお呼ばれして。音楽好きなら、サンプルがどんどん送られてきたり。
林:ワークシェアリングではなく、マイクロワークに変わってくるかも。一日の間に、午前中はこの会社で事務。昼はランチブロガー。ランチ情報を発信して、マイクロ収入を得たり。午後1時から何時は、ジムで何とかのフィットネス情報の発信者になっていたり。
–『アッチェレランド』というSF小説の第1章がそういう世界かもしれない。そういうコンセンサスが高まりつつあるのかなと。
林:そこでいちいちお金、紙の貨幣をやり取りしているとできない。どんどん貨幣自体が電子的な処理になりつつあると言うことは、1回の仕事が24円くらいの収入でも、1分24円を1時間にいくつやるということもありえる。
これまでできなかったマイクロ化がいろんなレベルでできるようになる。
–マイクロ化がCPや今のクリエイターの話に限定されない。働いて生きていく人すべてが、マイクロ化のことを意識しないといけない。
–パッケージを売ることはできなくなる?サラリーマンは、全部の業務をパッケージとして会社と契約。パッケージではなく、自分で出せるものを小売りに。
林:パッケージを作ることに意味はあると思う。そこにセンスが要求されていて、必ずしも、最初の発信者がパッケージを用意してもそれがベストとは限らない。将来的に言うと、版元とかいうのが意味がなくなるかも。マイクロコンテンツを発信している側は、質にフォーカスすればいい。その次に、セレクトショップ的なのがあり、場合によっては、お勧め音楽だけをパッケージしているところも。あるいは、お勧めの音楽、本とアロマをパッケージにしているところも。もっと、パッケージにバリエーションも。その中で競争が起きて。
–お仕着せのパッケージだけで売り物にならなくなる。
林:今の音楽業界や出版業界のように、作者とパッケージ業者が密なのではなく、もっと緩い関係に。そうすると、ほんと、こういう絵を描きましたといったら、パッケージ業者はいくらあってもいい。
–絵本にリミックスする人も。動画を作ったり。素材として分解したり。
林:あとは、そこにちゃんと金の流れを作る。そこが一番難しいところかも。クリエイティブコモンズにしても、ライセンスといっしょに、ライセンスのコードを埋め込むという話があった。しかし、あれですら実現していない。
–画像ならコードを埋め込めるかもしれないが、俳句には埋め込めない。テキストには。Twitterのつぶやきはコピー&ペーストされたらわからなくなる。リテラシーの成熟も必要。コンセンサス。こういううまく行くという試行錯誤を経て、リテラシーが高まる必要。
林:情報の上流に対してリスペクトする文化が根付けば、そういう流れが起きやすくなる。もしかしたら、金の流れでなく、リスペクトされることで満足する人もいるかも。
–オープンソースのプログラマーのように。リスペクトを受けることで、良い仕事にありつくということもオープンソースの業界ではある。必ずしも作った成果物を売らなくても食える。
林:貨幣以外の物々交換が広まってもいいかも。昔のように、作家先生に近所の農家が大根を食べてくださいと持ってきたり。
–雑誌編集者などによっては、年収以外に、服は安く買えたり。映画を試写で見たり。そういったところで、高級なものを身につけたり、教授することを限りなく低コストで得られる立場。そういう情報の流れにいる。逆に入るのが難しい世界。
–みんながそういう世界に、相互に。自分がサービスを提供して、別の人のサービスを受ける。
–そういう社会的な信用や余録があるから、新聞などで偉くなった人は、そこの牙城を崩されたくないというのが大きい。
–みんながそういうところになれば。そうなっても、凄く人気を集める人はいるだろうし、でも細かくなればみんなに行き渡る。
–努力や才覚で得やすくなる。
–壮大な話になってきました。
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